患者さんへ

涙道疾患

涙液の流れ道である涙道(涙の排水路)における疾患の治療を行っています。涙は涙腺で作られ、眼の表面を潤した後、まぶたの内側にある涙点から涙小管→総涙小管→涙嚢→鼻涙管→鼻内の下鼻道に抜けていきます。涙道のどこが閉塞しても涙が排水できなくなり涙目になります。また鼻涙管閉塞の場合は目ヤニが出る症状も合併し、炎症を起こすと「涙嚢炎」といって目頭が赤く腫れ、うずくような痛みも生じてきます。目薬では治りません。閉塞部を物理的に開通させ涙の排水路を確保します。治療法は2種類あり症状、閉塞部位により選択します。

 

内視鏡併用涙管チューブ挿入術:主な適応は涙道の狭窄あるいは軽度の閉塞の場合で、閉塞期間が短い場合がよい適応となります。当院では侵襲が少ない涙管チューブ挿入術をできる限り第一選択として加療しています。直径0.9mmの涙道内視鏡で涙道内を直接観察しながら、閉塞を解除させます。 閉塞の無くなった涙道に直径1mmのチューブを挿入し2~3カ月間留置後に抜去します。 

 

涙嚢鼻腔吻合術(DCR):主な適応は、涙道チューブを抜去した後に再閉塞した場合や、鼻涙管の閉塞していた期間が長く、強度な閉塞がある場合や、閉塞により涙嚢炎を繰り返している場合は、本手術の適応となります。局所麻酔で、涙嚢から鼻内へ新しくバイパスとなる道を作ります。